ひさまりな人生

ノンフィクションとフィクションとハクションの狭間

次郎

あたしが次郎と出会ったのは

職場だった

面接に行った先の事務所内

背後でじっと様子を伺っていたのが次郎

長身で恰幅の良いビジネススーツの彼は

とてもあたしと同世代とは思えない程落ち着いた雰囲気を醸し出してした

白髪混じりの清潔感丸出しの短髪に貫禄のあるその風貌…

そして良く通る良い声


故にあたしは勝手な想像でかなり年上の方だと勘違いしていた

今思えば失礼な話よね


最低でも10は離れていると確信していたもの…



面接の途中に

いきなり仕事に連れて行かれると言う異例の出来事に

あたしは直ぐに魅了され

面接して頂いたオーナーから

「仕事を見て貰うのに丁度良い機会でもあったね。

大体こんな感じ。

では働くかどうかは電話で良いんで後日お返事下さい」

と言われ1日分のお給料を頂いている時に

「では働かせて下さい」

と返事をしていた

その時の次郎の裏返った声が忘れられず今でも耳に残っている


そこから

5ヶ月とちょっとで

あたし達は

カレカノの関係になるのだ