ひさまりな人生

ノンフィクションとフィクションとハクションの狭間

騎乗位

次郎は乳首を弄りながらでないとイケない

 

人には様々な癖があるのは理解している

普通に受け入れられた自分に

大人になった(歳をとった)なぁ…。

としか感じなかった

 

若い頃なら引いていたかも知れない…。

いや、どうかしら。

 

あたしは不器用で

腰を振るのが下手である

次郎は女性上位が好きなので

九割方あたしが上なんだけど

どうしても直ぐ疲れてしまう

気持ち良過ぎても腰が止まってしまうし

和式便座にしゃがむ様にしても太腿が疲れてしまうし

倒れ込んでもとにかく次郎をイカせてあげる事は出来ない

 

そこで

乳首を舐め回しながらならば

あたしが疲れる前にイカせそうな気がして

数回チャレンジしてみた

でも

上手く行かない…。

イカないのと行かないのを掛けた訳ではなく…。

 

きっとあたしの胴が長いのだろう

次郎の乳首を舐め回しながら腰を振るとどうしても乳首が下の方へ遠ざかってしまう

いや、あたしの頭が上へズレてしまうのか…。

 

どっちなんだ

 

とにかくあたしがどんなに背中を丸くしても

乳首と唇が離れようとするのだ

 

もう七夕の終わりの織姫と彦星の様に

離れ離れ…。

悲しいやら寂しいやら切ないやら…。

 

二兎を追う者は一兎をも得ずなのか

 

一生次郎をイカせてあげる事は出来ないのか…。

 

ヨガにでも通ってどんな体位でも乳首から唇が離れない様に訓練しなくては…。

 

 

 

 

次郎

あたしが次郎と出会ったのは

職場だった

面接に行った先の事務所内

背後でじっと様子を伺っていたのが次郎

長身で恰幅の良いビジネススーツの彼は

とてもあたしと同世代とは思えない程落ち着いた雰囲気を醸し出してした

白髪混じりの清潔感丸出しの短髪に貫禄のあるその風貌…

そして良く通る良い声


故にあたしは勝手な想像でかなり年上の方だと勘違いしていた

今思えば失礼な話よね


最低でも10は離れていると確信していたもの…



面接の途中に

いきなり仕事に連れて行かれると言う異例の出来事に

あたしは直ぐに魅了され

面接して頂いたオーナーから

「仕事を見て貰うのに丁度良い機会でもあったね。

大体こんな感じ。

では働くかどうかは電話で良いんで後日お返事下さい」

と言われ1日分のお給料を頂いている時に

「では働かせて下さい」

と返事をしていた

その時の次郎の裏返った声が忘れられず今でも耳に残っている


そこから

5ヶ月とちょっとで

あたし達は

カレカノの関係になるのだ